豪雪を乗り越え花から実へ

気がつけば6月、、、豪雪だった雪どこへ行ったのか?慌ただしい春もようやく少し落ち着き始めました。

 

多大な被害をもたらした今季冬
青森県では昨年末から2月に断続した記録的な豪雪によるリンゴ関連被害が過去最大の206億5000万円。雪の重みによる幹や枝折れが多発、今後の収量の低下が懸念される。青森は日本のリンゴ生産量の6割を占める産地だけに、今秋以降の全国の需給や輸出に影響を及ぼす恐れもある。 と発表された。
当農園でも少なからず被害はある。
品種別に見ると「トキ」の枝折れが酷い。そもそも枝に弾力の無く、枝が折れ易い品種であることは重々承知していたつもりだったが改めて自分の技術の無さを痛感させられた冬となった。

真っ白に咲く花、周りを見渡しても真っ白
2m以上も積もった雪だが、春には綺麗になくなり、とても沢山の花が咲いた。こんな年は「カラマツ被害」が懸念されることは生産者ならば誰もが知るところ。

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沢山の花が咲き、結実することが出来れば豊作傾向だなと感じた春だったが、、、また今年もカラマツが騒がれている。開花期間の低温による訪花昆虫の鈍化、そして交配作業に使われるマメコバチの減少。当然といえば当然。確実に受精させるためには人工授粉をするのがいいのだが、途方もない労力と膨大な経費がかかる。今までは交配作業は昆虫任せだった生産者もここ数年人工授粉をするようになってきた。当農園では今年全品種に人工授粉を行なった。うまく交配できた所もあればそうで無い所ももちろんある。それでもできる限りのことはやったので悔いはない。

 

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沢山の花に交配し、結実させ今度は最終的に実らせるりんごだけを選別する「摘果」が始まっています。単純作業ではあるが、園主の好きな作業でもある。欲を捨て如何に一つ一つのりんごに養分を生きわたらせるか考えながら夢中になれる作業でもある。早く摘果することで木の負担も軽くすることができる。とにかく大事な作業だ。


巷では、お米のニュースばかりピックアップされているが、農産物の適正単価というものは何だろうかと改めて考えてしまう。りんごも昨年は以上なほど高値で取引された年であったが、高値によるりんごの消費者離れが気になる、、、。
当農園も送料の値上げや資材の値上がりによる価格改定をしてきたが、今年は前年度と同じ価格で販売しようと思う。私も一消費者であるので消費者の気持ちも十二分にわかっているつもり。ただ正直ここ数年の資材の値上がりはキツイ、、、。
それでもSNS投稿すれば「今年の秋も楽しみにしてます」などのコメントをいただき期待されているのがヒシヒシと伝わる。一年を通して当農園のSNSを見てくださっている方には価格以上の価値と美味しさをお届けしたい。