猛暑からの低気圧、そして鳥さん

お疲れ様です。
ここ青森もようやく秋めいてきて、暑がりの園主でも股引きを履いて畑へ向かう季節となりました。

裸になって作業もしたいと思っていたほど暑かった夏。果実の日焼けに悪戦苦闘した夏を乗り越えてやっと気温も下がりこれ以上何もなければいいなぁと思っていたら、、、

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爆弾低気圧
「今年は台風が来ないな〜」なんて休憩中話をしていたら10月5日に低気圧が青森県上空にやってきた。夜中から明け方まで強風が続き収穫前のリンゴの落果してしまった。幸い当農園の落下被害は600~800キロほどで済んだが近所の畑ではうちの10倍ほど落果したそうだ、、、。
園地の場所によってこれほどまで差が出るのか。落下被害ばかりではない。長時間にわたり枝が揺れリンゴが擦れ傷がついたりんごも多い。市場出荷ではランクが一段も二段も下がってしまう。

幸い当農園では、多少の傷は気にしないというお客さんが多くある程度は宅配りんごとしてさばけるが、春からたくさんの苦難を乗り越えあと少しで収穫だというりんごが傷ついているのを見るとストレスが半端ない。

 

鳥の被害が深刻
夏場の猛暑の影響なのか?今年は山にも影響がありドングリが不作だという。早い時期から熊さんが人里付近まで来るようになり、自家消費用に植えてある桃も一個残らず熊さんに食べられてしまった。全県的に今年は熊さんの出没件数も例年になく多く発生しており、人的被害も報告されている。

 

低気圧や熊さんの被害も落ち着いたころ、周りの農家から「鳥の被害が深刻だ」という連絡があった。確かに管理作業をしていると例年に比べ鳥が突いた跡が今年は多いなと感じている頃だった。葉取作業をしている時期にちらほら見かけていた鳥が突いたりんごだったが、玉回しの作業になるとかなりのリンゴが突かれている、、、。毎年少なからず突かれてはいるもののここまで突かれたことは今までにない。慌てて防鳥テープを園内あちこちに張り巡らせたがあんまり効果がないということも知っている。でもやらないよりはマシだと自分に言い聞かせ今日も防鳥テープを張ってきた。
何が厄介かというと、突かれた個所から腐敗していく為、腐敗のひどいものは破棄するしかない。春から手塩にかけてきたリンゴが野鳥に一突きでもされようものなら商品としての価値がなくなるというのが一番の問題。

 

鷹を模したカイトも一時期流行したが今では一つも見かけなくなった。一番効果的なのは防鳥網を園地全域に張り巡らすのが一番だが、広大な園地に網を仕掛けるのは労力的にもコスト的にもとても現実的ではない。

こんな年は早く収穫することが鳥被害を軽減させる唯一の方法なのだが、あと数日で完熟するとわかってるりんごをここまで来て未熟なまま収穫する事は出来ない。経営者としてこの判断は間違っているともわかっているが、生産者としての判断は間違っていないはず。「昨年よりも美味しいリンゴを」をテーマに毎年掲げてる当農園としては美味しさだけは妥協出来ない。
お客さんも毎年楽しみにしてくれているという期待感もヒシヒシ伝わる。

あと数日で当農園の人気No.1サンふじの収穫も始まろうとしている。これ以上、被害が出ない事を祈るしかない。
鳥被害には、コレは効果あるというものがあれば教えて欲しい。