今年の振り返り、反省色々

お疲れ様です。11月上旬から主力品種サンふじの収穫が始まり。日中は収穫、夜は荷造り作業という一年で一番忙しい日々を過ごしておりました。今日でようやくご予約分を発送し終え、少しだけ余裕のある日常に戻りつつあります。

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今年の振り返り
記録的に早い消雪、記録的に早い開花となりあわただしい幕開けとなった春。生育が早くなると遅霜の影響を受けやすく、少なからず当農園も被害を受けてしまった。しかし開花量は十分、着果量も十分、肥大も良好、今年はいい出来秋を期待できそうだと思っていた夏、30度以上の日が一ヶ月以上も続き最高気温が39.3度、、、日当たりのいい果実は焼け焦げ、畑の土は干ばつ状態になり、肥大がストップ。まあ、それでも秋になり早生品種、中生品種と収穫をしていると爆弾低気圧、、、幸い風当たりの強い園地の収穫は終えていたため落下被害は1トンほどで済むが、強風が続いた時間が長かったため枝に擦れ傷ついたりんごが多くなってしまった。サンジョナや王林の2品種は収穫前落果が1割。主力品種のサンふじは、果皮のひび割れが酷かった。
そして何よりも全品種、鳥被害が多かったというのが今年の特徴。

やっぱり信用が大事だよね
今年度よりBtoB取引を始めました。というより今までたくさんの業者さんからお声掛けいただいておりましたがすべてお断りしてきましたので今年初の試み。単価的にも満足のいく取引でさえ断ってきました。なぜかというと当農園のような個人農家が収穫できるリンゴの量なんて限られています。今まで定期的に購入していただいたお客さんのリンゴを単価がいいからと言ってそっちに行ってしまっては今まで当農園のリンゴを楽しみにしていたお客さんに申し訳ないという気持ちが強いから。こんな頑固な園主だからなかなか稼げない、、、。
しかし、リンゴ農家仲間の紹介ということもあり少量だが今年度出荷することにした。リンゴ農家仲間の顔を立てたというわけだが、来年以降はどうしようか?悩んでる。個人農家と業者、販売店というお付き合いになるわけだが私としてはサンふじの贈答品は例年完売しているので10月の早生物のリンゴから出荷したいという希望も伝えたはずだがメールしても返信はなく、10月下旬急に連絡がありバイヤーさんを連れて園地に行きたいと、、、10月下旬といえばリンゴ農家の超農繁期。この時期急に来るということが農家にとって負担になることが販売する側はわかっていない様子。実際、今年は2品種90キロ出荷したが、出荷する手間は個人宅配の倍以上かもしれない。やはり私にはBtoBというのは向いていないと実感。本来1度2度と会う度に信用だったり信頼関係が出来てくるものだと思うのだが、今年はそれを築くことができなかった私の未熟さもある。反省。

 

お客様は神様なのか?親しい友達くらいがちょうどいい
今では全国にたくさんのお客さんがいます。本当にいい人たちに恵まれリンゴを購入していただいていますが、中には”お客様は神様”という態度で電話してくる人もいる。残念だったのがその人は同じ農業者だった。他県で農業法人をされている方でここ数年リンゴを購入いただいている方。簡単に言うとその方のお口に合わなかったという電話だったが最後にはおいしいリンゴは、、、、という風に本業の私にリンゴについてマウントを取り始めた。さすがにこれにはカチンときた。反省。
お客さんに選ばなければリンゴを購入してもらえないのは重々わかっているが、ただ生産者側もお客さんを選ぶ権利はある。

私はお客さんとの立場は対等で「親しい友達くらい」の関係性がいいと思っている。実際そういう関係性が築けているなと感じるお客さんが何人もいる。もちろん直接会った方ばかりではなく、一度も会ったことがない人のほうが多い。
今年、いろんな意味で救われた出来事がある。
2~3年前から当農園のリンゴを購入していただいてる方から突然SNSメッセージがあり「当農園のリンゴで作ったタルトを贈りたい」と。リンゴを購入していただいているのにわざわざタルトを作って贈ってくれるという。心身共に疲れている時期でこのメッセージを見ただけで元気がでた。数日後予定通りタルトが到着。売り物かというほど綺麗な見た目とリンゴの味もしっかりと感じられる程よい甘さのタルトが体に染み渡った。何よりもその人の気持ちがただただ嬉しかった。今年のリンゴは夏場の猛暑や日焼けの影響で品質のいいものが少なく、気落ちしてストレスも溜まっていたころの出来事。
本当に救われました。ありがとう。
勝手に親近感が増し、勝手に「親しい友達くらい」に思っています。

 

贈答品完売と信頼関係
お陰様で、今年度の贈答品は予約の段階ですべて完売となりました。現時点で贈答品をご注文いただくお客様には下位等級の「家庭用品(色むらや傷あり)」しかありませんと伝えると、”味が変わらないならいいよ”と言ってくれるお客さんがほとんど。先に記述したように今年は猛暑の影響が大きく贈答品も例年よりも少し少なかった旨を伝えると直ぐに理解してくれ、”大変だったね”と労ってくれる。規格を変更を快諾してくれるお客さんとの間には信頼関係が出来てきていると感じる。しかし私としてはお客様の本来のご注文にお応え出来なかったという罪悪感が少なからず残り、来年こそは!と心に誓うのであった。

今年度から当農園も商品価格の値上げに踏み切りました。数年前からの肥料費、農薬費、資材費、人件費と必要経費が上がって、苦渋の決断でしたが商品価格を見直すことになりました。いろんなものが値上がりしその中で毎年当農園のリンゴを購入されているお客さんには大変申し訳ないと思いつつ来年以降も継続してリンゴをお届けするためには価格改定せざる得ませんでした。値上げしたから少し注文件数は減るだろうと思っていたが、現時点では昨年並みのご注文件数。本当にお客さんに支えられているんだなと実感。
あっという間に12月。リンゴの発送も先が見え始めてきたので、そろそろ畑へ行こうか!