剪定終了〜春の準備へと

お疲れ様です。今年から歯医者を変えたら虫歯が4本も見つかり治療中の園主です。
昨年末から始めた、剪定作業も先日ようやく終わりました。日数にして100日以上。吹雪の日も、大雪の日も、雨が降っても。剪定作業は園主である私が全ての木を管理しているのでとても時間のかかる作業の一つです。

 

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記録的に早い春
2月までは気温も低く、園内の積雪も豪雪だった昨年並みに多く今年は遅い春になると思っていたものの3月の好天、気温上昇が続きあっという間に消雪。その後も気温が高く推移したため、3月20日すぎには発芽するという記録的な早さ。平年の発芽日は4月10日前後なのでかなりの早さで生育が進むことになる。近年もずっと早い春だったがこの早さで発芽したのは初経験。温暖化の影響が顕著に現れているように感じ、今年のような気候が標準となっていくのだろう。

 

早い春のメリットやデメリット
早い春の訪れは収穫までの栽培期間が長くなるのでその年はおいしいりんごができるように感じる。これはあくまで主観。
しかし、早い春にはデメリットも多く、なんと言っても霜害に遭いやすくなる。発芽したばかりの新芽は低温に弱く、マイナス2度を下回ると花芽が凍りつき茶色く変色、大事な花が咲かないということになります。一昨年は全国的に果樹の霜被害が多く、生産量も激減した年でした。もう一つ、剪定作業の遅れによる樹体の貯蔵養分の減少。りんごの花芽はこの時期貯蔵養分によって芽吹きます。剪定されていない木は剪定されてある木に比べ、花芽の数も多くその分だけ貯蔵養分を使ってしまいます。貯蔵養分の減少した木は樹勢が著しく悪くなり、いろんな病気の原因にもなったりします。

 

平年は当てにならない
りんご栽培は歴史が長く、沢山のいろんなデータが存在します。平年の発芽日。平年の開花日。平年の落花日、、、、私もずっとこれらを参考に作業計画を立てたりしてましたが近年は平年よりもずっと早い状態に。平年は参考程度に、自分で平年を決めることとしました。今までは4月10日まで剪定作業を終えれば、その後の作業も計画的にと考えていましたが、昨今は3月末までに剪定作業を終えなければと思い作業を進めてきました。

 

朝ご飯の時間です
春が早いということは、木が休眠期から目覚め、それと同時に地中の根っこも活動を始めます。長い冬を乗り越え目覚めた木々には朝ごはんが必要です。肥料の施肥時期となるのですが、昨今の物価上昇の煽りを受け肥料も高騰。昨年まで20キロ3,300円だった肥料が今年は5,000円以上となり、農家は頭を悩ませております。私の考える施肥とは、必要以上の肥料をやらないこと。少し足りないくらいがいいと考えていて周りの生産者よりも少なめに施肥しています。今回の肥料高騰の件で肥料というものに改めてフォーカスし今まで使用していた肥料を全部変え、国産有機肥料のみとすることにしました。魚カスを主体に味上げで使われる海藻を混ぜ、乳酸菌、酵母菌、光合成細菌等の有用微生物群原料で全体発酵させたもの。一概に魚カスと言っても赤身の魚、白身、青物、、、色々あります。魚カスとなる魚種や海藻の種類まで指定し、他にも微量要素を数種類配合し当農園オリジナル肥料を設計していただきました。これからのりんごの味がどう変わっていくのか?今から楽しみ。

早い春はこれまで何度か経験してきましたが、今年のような早さの春は未経験。どのような年になるのか?乞うご期待。