肥料高騰が止まりません、、、

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農業にとって必要な肥料 三大要素
肥料の三大要素といえば、窒素、リン酸、カリ。農作物を作る上で欠かせない要素なのですが、その中でもリン酸の高騰が止まりません。

その原因が


◦世界シェア4割の中国の環境保護策で大幅な生産量減
◦世界的な穀物需要の増加
◦エネルギー価格の上昇
◦ロシアによるウクライナ侵攻
その他にも色々と複合的な影響があるのでしょう。
一農家としてはどうすることもできませんが、農園には肥料は必須となります。
20キロ3,300円だったのが今年は20キロ5,000円以上となりました。。。
肥料価格は年々上昇していたのですが、これほどまでに大幅な値上がりは経験したことがありません。

 

化学肥料は悪なのか
化学肥料とは化石燃料や鉱物資源を科学的に合成して作る肥料のこと。
化学肥料の化学という言葉に対しての忌避感がすごいと感じて、有機農業などは正義かのような報道も目立ちます。
しかし、私はものすごい画期的なテクノロジーだと思っていて、農業を続けていくには必要なものだとも考えています。
詳しい年代は忘れましたが、スリランカ大統領が化学肥料と農薬を禁止しました。どうなったかというと、穀物の国内価格が50%UP。それに加え自然災害等あるとさらに価格は上昇したでしょう。高価格で販売されることは農家にとっていいのではと思いますが、あまりにも高価格だと消費者は購入しません。80億人の人口を養うには化学肥料は必要。

 

今回の急激な肥料高騰で変えたこと
まず、今まで購入していた肥料(有機70%)だったものを、国産有機肥料100%としました。今までは国産有機肥料といえば、高級肥料という位置付けだったのが今では国産有機肥料の方が安価に購入できるようになりました。ずっと使用したかった肥料が価格逆転したことで国産有機肥料に切り替えることにしました。

 


当農園オリジナル肥料
即効性の魚カスを主体に登熟促進や味上げで使用される海藻を混ぜ、それらを乳酸菌、酵母菌、光合成細菌などの有用微生物群で全体発酵させた当農園オリジナル。
そのほか、微量要素も配合し、肥料会社担当者と何度も何度も打ち合わせし完成しました。今年初めて施肥したのでこれからの変化が楽しみでもあります。

 

肥料高騰で堆肥のみの施用に切り替え
ここ数年の肥料高騰で肥料の施肥を行わず、堆肥のみを園内へ撒く生産者も多く見かけるようになってきました。なぜそうしているかというと、肥料が高いので15キロ数百円で購入できる堆肥を使うようになったとか。毎年この方法でもりんごを生産してきてるので問題ないと。この言葉に私は少し違和感を持っています。果物を作る上で欠かせない三大要素(窒素、リン酸、カリ)は土壌中に必ずあるもので、地力のある土壌ならば問題ないが、私の住む地域の土壌はそれらの成分が不足気味だと一般的に言われている地域なので少しでも毎年施肥した方がいいように思っています。

※堆肥とは稲藁や家畜の糞尿、食品残渣などのさまざまな有機物を微生物の力で分解させ成分的に安定させたもの。堆肥の成分にも肥料成分は含まれていますが、肥料成分の効能というよりも土壌改良としての効果を期待して施用されるのが一般的。


肥料を沢山やることがいいことなのか?
私の父親世代、60才以上の生産者と話をすると、大きなりんごを採るために肥料は欠かせない、沢山肥料を撒くことで秋には大きなりんごがみのり、肥料代以上のリンターンを得ることができると話します。
私も父からそのように言われていたことを思い出します。しかしその年りんごは小玉傾向、、、その年撒いた肥料でその年りんごが肥大することはありませんでした。その年、土壌分析も実施し土壌成分をみてみると三大要素は不足しているどころか、どれも少し多めの検査結果だった。
何を期待して肥料を撒くのかは生産者によって異なります。
私の場合は施肥することで「味上げ」を期待しています。
今回、撒いた肥料も味上げ特化型肥料と言ってもいいでしょう。

 

目に見えにくいからこそ大事なような気がする
肥料を撒くこと。根っこが健全に伸びているのか。土の状態は。。。
全部目には見えない。
地上から上、木の肌色、枝の伸びや太さ、葉っぱの大きさや色、厚み。目に見えるもので地下部分がどうなっているのか?判断しなければなりません。自分の目指す「いいりんご」とはなんなのか?これも生産者毎に違います。
自分の目指す、「いいりんご」を収穫するためには、目に見えない部分もしっかりと妥協なく管理しようと思います。