りんごの花満開

日本一の桜祭りも終わり、弘前はりんごの花盛りとなっています。
SNSにりんごの花の写真を投稿していますが、実はこの時期の農家は色んな作業がたくさんでてんやわんや。

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人工授粉
花が咲いたらまず行うのが、確実に結実させるための作業。受粉作業です。
近年、天候不順によりマメコハチによる受粉が確実ではなくなってきているので当農園では人の手による人工授粉を行うようにしています。何せ一個一個受粉するのでとにかく労力が膨大。でもやらないで後悔するよりいい。

 

来年の受粉用花粉の確保
人工授粉するにあたって必要なのが花粉。
りんごは違う品種の花粉が雌しべに付くことによって結実します。ふじには王林の花粉といった具合に。そのため当農園では王林の花を採取し来年用の花粉として1年間貯蔵し来年花が咲いたら交配作業に使っています。

 

摘花作業
沢山花が咲いたらいち早く摘花します。全ての花を結実させて訳ではなく選抜して選抜して結実させなければいけません。ほぼほぼ摘花するといっても過言ではないでしょう。りんごの木は花を咲かせるこの時期に最も体力を使うと言われています。なので木を健全に維持するためにも早めの摘花することが望ましいのですが、この作業もほとんど人の手作業、、、。

 

薬剤散布
数年前に全国的に猛威を振るった黒星病。この時期はこの黒星病の最重要防除時期です。生産者が防除で最も気を使う時期。毎日の天気予報をチェックし試験場からの黒星病飛散データを確認しながら散布日を決定します。今年は今の所黒星病の飛散も少ないようですがまだまだ気の抜けない日々です。

 


このように花が咲いたら花見とはいかず、りんご生産者は多忙を極める時期なのです。昨年のようにうまく結実できず苦労した経験があり、今年は全ての園地に交配作業を行いました。今年はきっと大丈夫。生育の早い品種ではしっかりと結実した証、実立ちも確認され一安心。
これから花も散り、本格的に摘果作業へと移行していきます。
まだまだ油断のできない時期ではありますがとりあえずは春の作業の山場は超えたご報告でした。

りんごの薪

昨年12月から始まった剪定作業も4月上旬で終わり、園内の後片付けやら伐採作業等色々とやることが多く慌ただしい春を迎えております。

 

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世代交代
りんごの木は剪定作業や、管理作業をしっかりとしていれば100年以上も育ちます。しかし樹皮の病気や根の病気、雪の重みによる枝折れなどで残念ながら生産性の悪くなってしまった木は伐採対象となってしまいます。本来ならばしっかりと佐藤家代々しっかりと管理できていればよかったのですが、、、。

それでも伐採、抜根された後には新たに苗木が植えられこれから何年も何十年もりんごを実らせてくれるでしょう。

使い方は色々
伐採された木は通常、青森の厳しい冬を乗り切るための冬場の薪ストーブの燃料として使われるのが一般的。何気なく普段から気にするこなく焚いていたりんごの薪ですが、海外では高級品として扱われ、特別な日や特別なお客さんが訪れた日などに焚かれているようです。ほのかに甘い香りがし日持ちもいいので人気があるようです。

最近では薪ストーブブームやキャンプブームなどで、薪の需要も高まりお問い合わせもいただくようになってきましたが、当農園の薪は全て行き先が決まっています。

素性の良い木は、地元のオーダーメイド家具屋さんへ渡り、職人の手によってキーリングや剪定作業で使用する鋸の柄、カットボード、、、。新たな命が吹き込まれます。

りんごの木は杉などの木に比べ捻れたり節も多く木材として使えない部分については地元の工務店社長が所有するフィンランド式サウナの燃料となっています。りんごの木が燃える香りも独特だとか。

普段は冬場の燃料としてだけ使用されているだけだったのにこんなにも色んな使い方があるのには驚きです。

燻製のチップにも向いているようで、青森特産の食材の燻製なんてコラボも面白いかななんて妄想するこの頃です。

インプットじゃなくアップデート

この時期、りんご農家のSNSには沢山の剪定投稿があります。
剪定会でこの人の剪定はどうだとか?師匠の剪定はやっぱりすごいだとか。
りんごの剪定にかける情熱が感じられます。それだけ生産者にとって剪定と言うのは大事な作業だと言うことです。

 

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インプット
こんな状況でも感染症対策をバッチリに各地で剪定会などが行われています。私もそうだったように就農したばかりだと形しか目に見えず、達人と言われるような人の数年後、数十年後の想像ができていませんでした。そうした方々に少しでも追いつきたいと沢山質問し、何度も何度も園地に伺い剪定方法を教えてもらったもんです。就農したばかりの私にもわかりやすいように説明してくれたのは今でも本当に感謝しております。一緒に剪定し何気ないひと言を忘れないように車に戻ってからメモし、その当時意味のわからなかった事も今ではこう言うことを言っていたのではないかと思えるようにもなってきました。
当時SNSなどは普及しておらず、剪定方法を習得するにはとにかく沢山の園地を自分の目で見て、達人の方々と同じ空間で同じ木に向かい鋸を引くことしかでしか習得できないと今でも思っています。本当に沢山の方々に好意にしていただき、沢山インプットしたのを懐かしく思います。

 

アップデート
仕事柄、りんご農家のSNSが自分のフィードに流れてくることが多いのですが、自分と同じように剪定作業を頑張っている投稿が多いです。
りんご作りを始め17年、まだ17回しか剪定していません。一年に覚えられる剪定技術なんてたかが知れています。いかに毎年毎年情報のアップデートをしていくことが大事だと思います。間違った情報を鵜呑みにし気付かずに何年も剪定してしまうと大変なことになってしまうこともあります。剪定方法に限らず、栽培方法も「これでいいんだ」「これが最高」だと思わず、常に栽培知識のアップデートをしていかなければなりません。

 

まとめ
品評会の受賞以来、沢山の生産者が園地視察に来られましたが、私自身まだまだ自分の園地や経営に満足しておらず、極論まだ自分のりんごが完璧にできたなんて思ったこともありません。自分のりんごは〇〇だから美味い!などと言ったこともない。こう言うことを言ってるってことは自分のりんごに満足していると言うこと。インプットばかりしているとパソコンがフリーズするように、定期的にアップデートしなければ。

いただきもの

お疲れ様です。

午後から雨予報でしたので、剪定はお休みしりんごジュースにする原料の選別作業をしておりました。

 

お客さんとの付き合い方

産地直送を始めてからもう15年以上に。その頃からお付き合い頂いてるお客さんの中には毎年のようにいろんなものを贈ってくれる方がいます。自分の息子や娘が産まれた頃からのお付き合いなので子供達の成長もSNSを通して楽しんでくれてるようです。毎年りんごの季節には沢山ご注文いただくばかりではなく、周りの知人や友人にも紹介してくれて本当に感謝しかありません。

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先日は、わざわざ子供達のために不知火を贈っていただきました。こちらではなかなか購入出来ない物。子供達も大喜びしています。

 

もうずっとご贔屓にしていただいてるお客さんにはこちらから行って直接お礼したいなと思う今日この頃です。

 

 

 

 

祝卒業

お疲れ様です!目覚ましの5分前には目覚めるようになったおじさん園主です。

 

卒業シーズンということで各学校で卒業式が行われています。一足早く行われた中学校の卒業式では、我が家の長男が在校生代表として卒業生の前で送辞を読み、沢山の人の前でも落ち着いて語りかける姿を見てまだまだ子供だと思っていたのに、いつのまにか成長していたんだなとしみじみ。

 

おてんば娘の通う小学校でも沢山の感染症対策をしての卒業式。

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おしとやかとは、無縁のおてんば娘ですが、この日ばかりは一生分の「可愛い」をいただきご満悦。この2年は沢山我慢して過ごして出来なかった事も多かった。それでもこうして友達と乗り超えてきたことは大きな力になるでしょう!

 

 

 

大きな決断

このところの好天で雪解けも進むりんご園です。

この時期になると周りの農家さん達のチェンソーで枝を落とす音が響いてきます。

 

時には大胆に

剪定とは鋏と鋸をメインに使用しての作業となりますが、時には大胆に直径30センチ以上もの枝を切ることもあります。何十年もかけて育ててきた枝なので切るか?切らないのか?とても悩みます。

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今回は悩みに悩み抜いて切るという決断をしました。木は毎年同じ姿ではいられません。

毎年少しずつ姿を変えて成長していきます。今回切った部分には大きな空間ができましたが、木は正直で、この空間に枝は伸びてこようとします。その中で枝の素質を見極めながらこの空いた空間を新たな枝で埋めるように剪定していきます。

 

と、先輩方から教わりました。

今日も先輩と一緒に剪定し少し成長出来たかなと思います。

 

 

SNS

令和3年産のりんごの出荷も3月で最後となりました。Facebookでお知らせした際には沢山のご注文いただき本当にありがとうございます。

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ただただ流行ってるから始めたFacebookですが、今では沢山のお客さんがこのSNSからご注文いただくまでなりました。

 

フォロワーさんも多いので、周りの方から上手くSNSを使ってりんご売ってるね〜などと言われることも多いですが、売ってるという感覚はなく、日常を発信しているだけ。

 

今回のように広告を出したりもしますがそれも年に数回だけ。

 

続けることが大事

いまでは、沢山の農家さんがSNSを使ってりんごを販売しようとしています。ただ残念なことに収穫期の秋をメインにSNSをやっている方が多い。収穫が終わって、在庫がなくなった途端、更新頻度が極端に減り、翌年まで更新していないという方も、、、。個人ページでの投稿ばかりでビジネスページで発信していなかったり。

 

私の後輩にはりんごの記事ばかりではなくてもいいから最低でも週1〜2は更新して、とにかく続けなさいとアドバイスしてますが、なかなか続かないのが現状のようです。

 

割り切る

私はSNSも仕事の一つだと割り切ってます。

側から見ると畑でスマホをいじってサボってるように見えるかもしれません。収穫時期になると頻繁にメールやメッセージ、FacebookInstagramのDMが届きますが出来るだけレスポンスは早くするのも意識しているので、農作業中頻繁にスマホをいじってます。

 

当農園では、このブログ、FacebookInstagram、この3つをメインに情報発信していますが、基本SNSの管理は全て園主がしているので正直大変と言えば大変です。

 

ブログ→FacebookInstagramと始めてきました。Facebookでの投稿が主になりブログが疎かになった時期もありましたがブログを辞めるという選択はブログで繋がった方々との縁を切るような気がして嫌なので今でもこうして頻度は落ちましたが続けています。

 

承認欲求

いいね!や閲覧数、など増えてくるとやっぱり嬉しいもんです。自分の発信した情報にいいねがついてくれたり、肯定的なコメントがくると嬉しいもんです。このブログでもコメントは少ないもののアクセス解析すると更新してなくても数十人は毎日チェックしてくれてるようです。インフルエンサーのように数万人に発信することはできませんが少しでも楽しみに見てくれてる方に向けて書いていこうと思います。